高い焼肉屋と安い焼肉屋の違いとは?焼肉屋10年の店主が正直に解説
高い焼肉屋と安い焼肉屋、何が違うのか。
10年間焼肉屋をやってきて、食べ歩きも続けてきた立場から正直に話します。どちらが良い悪いではなく、違いを知った上で使い分けてほしいというのが本音です。
一番わかりやすい違いは、肉の質と値段
高い店と安い店の違いで一番わかりやすいのは、やはり肉の質です。
選りすぐりの和牛を使えば価格は上がります。国産牛になると下がり、輸入牛になるとさらに下がる。どの牛を使うかで、原価はまったく変わります。
これは単純に「高い=美味しい」ではなく、メニューや使い方によって最適な選択が異なります。ただ、和牛は高価なだけあって農家さんの努力の結晶。基本的にめちゃくちゃ美味しいです。もちろん国産牛・輸入牛にもそれぞれの良さがあり、使い方次第で最高の料理になります。
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冷凍とチルドの差は、赤身肉に出る
肉の質と同じくらい大きな差が出るのが、冷凍かチルドかという問題です。
個人的に顕著に差を感じるのは赤身肉です。冷凍するとドリップ(肉汁)が出やすくなり、解凍時にパサつきが生じます。本来の芳醇な香りや旨みが抜けてしまう感じがするんですよね。ミスジやシンシンのような希少赤身部位は、特にチルドと冷凍の差が出やすい部位です。
ただ、近年の冷凍技術の進化は本当に素晴らしく、「これ冷凍なの?」と驚くレベルのものも出てきています。生の魚やしらすの瞬間冷凍は感動レベルです。今後この技術はさらに伸びていくと思っています。
歩留まりの違い
あまり知られていませんが、価格差に大きく影響するのが「歩留まり」です。
歩留まりとは、仕入れた肉をどこまで使うか、ということです。スジや脂を丁寧に取り除いて整形すればするほど、使える部分は減り、原価は上がります。安い店は歩留まりを多く取る(使える部分を多く残す)ことで原価を抑えています。
当店はかなり歩留まりを出してしまっています。お客様によって質に差が出てほしくない、どのお客様にも同じクオリティのものを提供したい、コース内で食べられる量が限られているなら、より良い部位を食べてほしい——そういう考えから、原価はさらに上がります。もちろん出た部分は無駄にせず、牛の出汁を取ったり、様々な形で使っています。
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人件費の違い
価格差のもうひとつの大きな要因が人件費です。
当店は基本フルアテンドで、各テーブルにスタッフを配置し、焼きからカットまでをすべて担当しています。お食事や大切な日を楽しんでもらうための人件費は、当然ながら価格に反映されます。
正直に言うと、当店は肉の仕入れ値が高いうえに人件費も高いので、税理士さんに怒られます(笑)。お客様に喜んでもらいたいという思いが強すぎて、利益が薄い。なので皆様、ぜひいっぱい来てください(笑)。
安い焼肉も高級焼肉も、どちらも好きです
「高級焼肉屋をやっていると、安い焼肉は食べられないんじゃないの?」と聞かれることがあります。でも全然そんなことはありません。チェーン店も街の焼肉屋も有名店も穴場のお店も、それぞれ好きなお店があります。
全てのお店にリスペクトがあります。価格が違うのはそれぞれの考え方や提供スタイルの違いであって、安い=良くないではまったくない。
ちなみに個人的には、ロースター、炭火かガスかも気になるポイントです。煙もくもくの炭火が好きなのですが、おしゃれして食べに行ったら服がえらいことになってしまうし(笑)。そういう使い分けも大事だと思っています。
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結局、大事なのは「使い勝手」
高い焼肉屋と安い焼肉屋を分けるなら、個人的には「使い勝手」が一番大切だと思っています。
- どういう日に行くのか → 普段使いか、特別な日か
- 誰と行くのか → 友人とわいわいか、大切な人と静かに過ごしたいか
- どう食べたいのか → 自分で焼く楽しさか、焼いてもらってゆっくり楽しむか
- 空間の優先度 → お祝いのような特別な日は、空間から大事にしたい
目的に合った使い方をすれば、どんな価格帯の焼肉屋も最高の時間になります。「高いから良い、安いから良くない」ではなく、その日その場面に合った店を選ぶことが、焼肉をより楽しむコツだと思っています。
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まとめ
- 肉の質(和牛・国産・輸入)が価格差の一番わかりやすい要因
- 冷凍とチルドの差は赤身肉に特に出やすい
- 歩留まりの違いが原価に大きく影響する
- フルアテンドなどの接客スタイルも価格差の大きな要因
- 安い焼肉も高級焼肉も、どちらにもリスペクトがある
- 大事なのは「使い勝手」。目的・メンバー・シーンで使い分けるのが正解
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店主兼料理長|食べログ百名店4年連続選出
東京広尾 お肉屋けいすけ三男坊
肉のカット・焼き・提供までを一貫して行い、
“人生最高の肉体験”をテーマにコースを構築。
