焼肉の食べ方・マナー|初めての方・海外から来られた方へ
この記事は、焼肉を初めて楽しむ方・海外から来られた方に向けて書きました。
「YAKINIKU」という言葉が世界に広まり、日本の焼肉文化を楽しんでくれる方が増えていることが嬉しいです。注文の仕方・焼き方・マナーを知っておくだけで、焼肉はもっと楽しくなります。この記事が、焼肉との素敵な出会いのきっかけになれば幸いです。
焼肉玄人の方はこちらへどうぞ → 焼肉屋10年の店主が普段の楽しみ方を正直に話します
まず野菜・サイドメニューから始める
着席したらまずキムチ・ナムル・サラダなどのサイドメニューを先に食べましょう。空腹の状態でいきなりお肉を食べると、血糖値が急上昇しやすくなります。野菜やキムチを先に食べることで、胃の準備が整い、お肉の旨みをより感じやすくなります。
キムチは最初に少し食べておくのがおすすめです。食欲が上がりますし、乳酸菌で腸内環境も整います。
生肉に拒否感がない文化の方は、ぜひユッケを頼んでみてください。新鮮な生の牛肉を卵黄と合わせた、焼肉ならではの一品です。最高。
食べる順番の基本
焼肉の基本的な食べる順番は「あっさり→濃い」「塩→タレ」です。
① まずはタン塩から
牛タンは脂が少なく網が汚れにくい。口の中がスッキリした状態で素材の旨みを感じられるため、最初に食べるのが定番です。脂やタレの強い肉を先に食べてしまうと、タンの繊細な味わいがわかりにくくなってしまいます。
② ロース・カルビ系へ
タンの後はロース系・カルビ系へ移行します。塩系から始めてタレ系へ移る流れが、味覚的に自然です。脂の少ない部位から脂の多い部位へという順番を意識すると、最後まで食べ飽きません。
③ 赤身・希少部位
中盤はシンシン・ヒレ・ハラミなど赤身系・希少部位へ。舌が慣れてきたタイミングで素材の旨みが際立ちます。
④ ホルモンは後半に|無理せず、チャレンジ精神で
ホルモンは脂が多く網が汚れやすいため、後半に回すのが基本です。ホルモンが初めての方は無理せず、まずは食べやすいものからチャレンジしてみましょう。
チャレンジ精神のある方は、まずセンマイ刺しやミノから試してみてください。センマイはコリコリとした食感でさっぱりしていて、ホルモン入門として最適です。(センマイ刺しならユッケくらいのタイミングで前菜として頼んでみてね)ミノも歯ごたえが楽しく、クセが少なくて食べやすい。
そこからホルモンが好きになってきたら、脂好きな方はシマチョウやマルチョウにもチャレンジしてみてください。とろける脂の甘みが最高で、ホルモンの沼にはまります。
→ 焼肉屋10年の店主が普段頼む順番を話します
→ ホルモン図鑑|全部位まとめ
焼き台(ロースター)について知っておこう
日本の焼肉屋の焼き台(ロースター)は、大きくガス火と炭火の2種類に分かれます。たまにジャンルによって鉄板のお店もあります。
ガス火
火加減が一定で安定しているため、初めての方でも焼きやすいです。ただし、焼き網が鉄板状になっているタイプもあり、表面が直接焼き付くことがあります。網との違いを意識しながら焼くと焦げ付きを防げます。
炭火
炭火は少し難しいです。なぜなら、火の加減が時間とともに変わるからです。最初は強く、時間が経つにつれて弱くなる。海外の方だとBBQで炭に馴染みがある方も多いかもしれませんが、焼肉の炭火はまた少し違います。ただ、慣れると炭火ならではの香ばしさが最高で、好きな方はとことん好きになります。私は炭火の香りがすごく好きです。
どんな焼き台でも知っておくべきこと
どんな焼き台でも共通して大切なのが、「どこが強火でどこが弱火か」を最初に確認することです。焼き台は均一に熱が入るわけではなく、必ず強火の場所と弱火の場所があります。これを知っているだけで、焼きやすさがまったく変わります。
- 表面が焦げているのに中に火が入っていない → 弱火の場所に移してじっくり中まで火を通す
- さっと焼き上げたい薄い肉 → 強火の場所でさっと仕上げる
- じっくり火を入れたい厚い肉 → 弱火の場所でゆっくり中まで熱を通す
強火と弱火の場所さえ把握すれば、どんな焼き台でも対応できます。
焼き方の基本
一度にたくさん乗せない
網に一度にたくさんの肉を乗せると火力が分散して均一に焼けなくなります。人数分を目安に少量ずつ乗せるのが基本です。焼きすぎ・焦がしも防げます。
ひっくり返すタイミング
肉の表面に肉汁がじわっと浮き上がってきたらひっくり返すタイミングです。この肉汁が見えたとき。焼きすぎると肉汁が外に流れ出してパサつきの原因になります。
部位別の焼き方
- タン(薄切り) → 強火の中央でさっと焼く。端が反り返ってきたらひっくり返すタイミング。私は返したらすぐに食べてしまいます。カリッとした裏側としっとりした面があり、個人的に好みです。レア好みの方はチャレンジしてみてね。
- ロース・赤身系 → 厚さがあればやや弱火の場所でじっくり焼く。肉汁が浮いてきたらひっくり返す。個人的には薄切りは、片面を強火で焼き上げ、裏面はサッと、そのまま肉汁をこぼさず食べるのが好きです。やはり赤身はパサつきやすいので、個人的にはこちらをオススメ。
- カルビ・バラ系 → 表面が白くなってきたらひっくり返す。脂が多いので焦がしに注意。と、オフィシャルではいいますが、個人的には少し脂面を焦がして香りを出して脂を落とす焼き方が好きです。
- ホルモン系 → 皮目を下にして弱火でじっくり焼く。脂が落ちて炎が上がりやすいので注意。これも店員さんに聞いてみてください。炎が上がるとびっくりすると思うので。炭火焼肉とかだと、店員さんが氷を持ってきてくれて鎮火してくれるよ。使い方がわからなければ、聞いてみよう。
知っておきたいマナー
焼き網は汚れたら交換してもらう
網が焦げてきたり汚れてきたら、遠慮なく店員さんに声をかけて交換してもらいましょう。どのタイミングで交換すればいいかわからなければ、素直に聞いてみてください。焼肉屋の店員さんは焼肉好きな方が多くて、すごく親切に教えてくれます。
生肉用と焼いた肉用のトングを分ける
生肉を掴むトングで焼いた肉をひっくり返すのは衛生上NGです。生肉用と焼き肉用でトングを使い分けましょう。お店によっては2本用意されています。
食べるペースに合わせて焼く
一人で焼き続けるのは、相手のペースを無視することになる場合があります。一言かけながら、みんなが食べ終わるタイミングを見て焼くのが気遣いのある焼き方です。
服装に気をつける
焼肉は煙・匂い・タレが飛びます。大切な服・洗えない素材・白い服での来店は避ける方が無難です。髪が長い方はまとめておくと匂いがつきにくいです。お肉関係の人と焼肉食べに行くと、当日みんな黒い服だったりします。笑
わからないことは店員さんに聞いてみよう
焼き方・タレの使い方・おすすめの部位など、わからないことは何でも店員さんに聞いてみてください。焼肉屋の店員さんは焼肉好きな方が多く、丁寧に教えてくれます。言葉の壁があっても、身振り手振りで伝えようとしてくれるお店がほとんどです。
まとめ
- 最初にキムチ・サイドメニューで胃の準備をする
- 生肉に抵抗がない方はユッケもぜひ
- 食べる順番はタン→ロース・カルビ→赤身→ホルモンが基本
- ホルモンは無理せず。まずはセンマイ・ミノから挑戦してみよう
- 焼き台はガス火と炭火に分かれる。強火・弱火の場所を把握するのが鍵
- 網に一度にたくさん乗せない・肉汁が浮いたらひっくり返す
- 網が汚れたら遠慮なく交換してもらう
- わからないことは店員さんに聞いてOK。焼肉屋の店員さんは親切です
最後に|焼肉は自由です
ここまで色々と書いてきましたが、焼肉を堅苦しく考えてほしくないです。
焼肉は自由です。
焼肉を食べると幸せホルモンが出ます。大切な人と、仲間と、友人と、恋人と、夫婦で、親子で、みんなでも、2人でも、1人でも楽しめる素敵な食事です。その時間を難しく考えず、無心で楽しんで、美味しいお肉を食べてほしい。
そして食べ終わった後に「明日からまた頑張ろう」とか「また日本に来たい」とか「色々なお店を知りたい」とか「自宅でも楽しみたい」とか、そう思ってもらえたら、私はそれで幸せです。
素敵な時間を過ごしてね。
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店主兼料理長|食べログ百名店4年連続選出
東京広尾 お肉屋けいすけ三男坊
肉のカット・焼き・提供までを一貫して行い、
“人生最高の肉体験”をテーマにコースを構築。
