A5ランクとは|牛肉格付けの仕組み・歩留等級・肉質等級・BMSをわかりやすく解説
A5ランクとは、日本の牛肉格付けで最も高い評価を意味します。
牛肉の等級は「歩留等級(A〜C)」と「肉質等級(1〜5)」の組み合わせで決まり、その中で最も高い評価が「A5」です。
ただし、A5ランクだから必ずしも一番美味しいとは限らず、部位・脂の質・調理方法によって味わいは大きく変わります。
焼肉店やネットでよく見かける「A5ランク」という表示。なんとなく「最高級の牛肉」というイメージを持っている人も多いと思います。
実際にA5ランクは、日本の牛肉格付け制度の中で最も高い等級を意味します。しかし、この「A5」という評価は単純な味のランキングではありません。日本の牛肉は複数の基準をもとに細かく評価され、その結果として等級が決まります。
牛肉の等級の仕組み
日本の牛肉は、公益社団法人日本食肉格付協会によって評価され、次の2つの基準で等級が決まります。
- 歩留等級(A・B・C) → 枝肉からどれだけ商品になる肉が取れるかを評価
- 肉質等級(1〜5) → 肉の見た目の質を評価
この2つを組み合わせた15段階(A5〜C1)が牛肉の格付けです。「A5」「A4」「B3」などの表示はこの組み合わせから来ています。年間約90万頭が格付けされ、そのうち最高ランクの「A5」に該当するのは約20%弱です。
牛肉等級の早見表
| 表示 | 意味 |
|---|---|
| A5 | 歩留まりが良く、肉質も最高評価 |
| A4 | 歩留まりが良く、肉質も高評価 |
| B3 | 標準的な歩留まり・肉質 |
| C2 | 歩留まりが低く肉質も低め |
歩留等級とは?
歩留等級とは、枝肉からどれくらい可食部(商品になる肉)が取れるかを示す指標です。第6〜第7肋骨間のロース芯面積やバラの厚さ、皮下脂肪の厚さなどをもとに算出されます。
- A → 歩留まりが標準より良い(歩留基準値72以上)
- B → 標準(同69以上72未満)
- C → 歩留まりが標準より劣る(同69未満)
Aランクは「1頭の牛から商品になる肉の割合が多い」という意味です。あくまで生産性の評価であり、味の評価ではありません。
肉質等級とは?
肉質等級は、肉の見た目や質を評価したものです。1〜5の5段階で、4つの項目のうち最も低い評価が肉質等級として決定されます。
- 脂肪交雑(サシ) → 霜降り状態の評価
- 肉の色沢 → 色の鮮やかさと光沢
- 肉の締まり及びきめ → 肉質の緻密さ
- 脂肪の色沢と質 → 脂肪の白さと質感
これらはすべて「見た目の評価」であり、味そのものを評価するものではありません。格付けは、公正な流通と適正な価格形成のための指標です。
BMS(サシの番号)とは?
BMSとは「Beef Marbling Standard」の略で、牛肉の脂肪交雑(サシ)の入り具合を数値で表した指標です。日本では1〜12までの数字で評価され、数字が大きいほどサシが多く入っていることを意味します。
BMSと肉質等級の関係
| 肉質等級 | BMS |
|---|---|
| 5 | 8〜12 |
| 4 | 5〜7 |
| 3 | 3〜4 |
| 2 | 2 |
| 1 | 1 |
肉質等級5の脂肪交雑はBMS8〜12に対応するため、A5ランクの牛肉はBMS8以上の脂肪交雑があることになります。
A5ランク=一番美味しい?
A5ランクは確かに高品質な牛肉ですが、「必ず一番美味しい」という意味ではありません。格付けはあくまで見た目の評価であり、味の評価ではないからです。
実際の味わいは次のような要素によって大きく変わります。
- 部位 → サシが多い部位ではA4の方が食べやすいこともある
- 脂の質 → 量よりも融点や風味が重要
- 熟成 → 熟成の有無・期間で旨みは変わる
- カットと火入れ → 料理人の技術が最終的な味を決める
料理の現場では、脂の多さだけでなく脂の質や赤身とのバランスも重要です。料理や食べ方によってはA5よりA4の方が美味しく感じることもあり、料理人は目的に合わせて牛肉を選んでいます。「A5=正解」ではなく、料理や好みによって最適な牛肉は変わるということです。
まとめ
- A5ランクは牛肉格付けの最高等級(A5〜C1の15段階)
- 歩留等級(A〜C)と肉質等級(1〜5)の組み合わせで決まる
- 年間約90万頭が格付けされ、A5は約20%弱
- A5はBMS8以上のサシが入っている
- 格付けは見た目の評価であり、味の評価ではない
- 美味しさは部位・脂の質・熟成・火入れによっても大きく変わる
店主兼料理長|食べログ百名店4年連続選出
東京広尾 お肉屋けいすけ三男坊
肉のカット・焼き・提供までを一貫して行い、
“人生最高の肉体験”をテーマにコースを構築。
